日本とワインの出会いは、今から約470年前、戦国時代の日本に遡ります。宣教師フランシスコ・ザビエルが伝来させたのが、その始まりと言われているんですよ。
ザビエルが持ち込んだ「チンタ酒」
1549年、フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸した際、薩摩の武将である島津貴久に洗礼用のワインを献上したことが、ワインが日本に持ち込まれたきっかけだとされています。当時「チンタ酒」と呼ばれたそのワインは、ポルトガル語で赤ワインを意味する「チンタ・ヴィーニョ」に由来すると考えられており、戦国武将たちの間で珍重される嗜好品になったようです。
明治時代から本格的なワイン造りがスタート
日本で本格的なワイン造りが始まるのは、明治時代に入ってからです。
- 殖産興業政策が後押し 明治政府は、日本の近代化を進めるための殖産興業政策の一環として、ぶどう栽培とワイン生産を積極的に奨励しました。
- 山梨県での試み 明治3〜4年頃(1870〜1871年)、すでに生食用のぶどう栽培が盛んだった山梨県甲府で、山田宥教と詫間憲久の二人が、書物や外国人から学んだ知識を元に本格的なワイン醸造を試みました。しかし、当時の醸造技術は未熟で、ぶどうの糖度不足や資金難などから、彼らの事業は一時的に頓挫してしまいます。
- 日本初の民間ワイナリー誕生 彼らの志を受け継ぐ形で、1877年には山梨県祝村(現在の甲州市勝沼町)に日本初の民間ワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社」が設立されました。この会社は、高野正誠と土屋龍憲をフランスへ派遣し、本場のぶどう栽培と醸造技術を学ばせるなど、日本のワイン造りの基礎を築きました。
- 日本独自の発展 当初はワインの酸味や渋みが日本人の味覚に馴染みにくかったため、ハチミツなどを加えた甘口ワインが好まれました。しかし、川上善兵衛による「マスカット・ベーリーA」などの日本固有品種の開発や、全国各地の栽培者の努力によって、日本のワインは独自の発展を遂げていきました。
ワインの歴史は世界中で深い
ちなみに、ワイン自体の歴史は非常に古く、紀元前8000年〜7000年頃の古代メソポタミアで始まったとされています。紀元前6000年頃には、コーカサス地方(現在のジョージア周辺)でワインの製造が始まったという説が有力で、そこからヨーロッパ、そして世界へと広まっていったと考えられています。キリスト教の普及もワイン文化の発展に大きく貢献しました。
日本ワインの歴史はまだ浅いかもしれませんが、その成長は目覚ましく、世界からも注目されています。日本の風土と人々の情熱が織りなす「日本ワイン」の物語は、これからも続いていきます。
これからますます楽しみになりますね!
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